大阪から東京まで新幹線を使うと、ビジネス客や外国人の観光客が増えたような気がします。朝方の時間帯の新幹線は満車ということもあります。コロナ禍から急激に需要が回復しているような気がし、株価も下落しており、ねらい目だと感じ、調べてみました。
JR東海。
新幹線と在来線12路線保有。
新幹線が収益の約7割。
流通、不動産事業も展開四季報
沿革
昭和24年 日本国有鉄道法に基づく公共企業体として国鉄設立
昭和39年 東海道新幹線東京~新大阪間営業開始
昭和62年 東海旅客鉄道設立
平成2年 山梨リニア実験線の建設計画を運輸大臣に申請、承認
平成9年 株式上場
平成20年 日本車輌製造を連結子会社化
平成23年 国土交通大臣がJR東海を中央新幹線(東京都・大阪市間)の営業主体及び建設主体に指名
事業内容
・運輸業:東海道新幹線及び東海地方の在来線における鉄道事業を行うほか、バス事業等
・流通業:JRセントラルタワーズ内で百貨店事業を営むほか、主に、車内・駅構内における物品販売等
・不動産業:駅ビル等不動産賃貸事業のほか、不動産分譲事業
・その他:主要駅等でホテル業を行うほか、旅行業、広告業等
業績
業績 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期利益 | 一株益(円) | 一株配(円) |
連22.3* | 935,139 | 1,708 | -67,299 | -51,928 | -52.8 | 26 |
連23.3* | 1,400,285 | 374,503 | 307,485 | 219,417 | 223.0 | 27 |
連24.3* | 1,710,407 | 607,381 | 546,946 | 384,411 | 390.7 | 29 |
セグメント
財務諸表 単位:億円(%:資産/売上に対する比率)
資産
現金預金7,410(7%)
中央新幹線建設資金管理信託1兆3,516億円(14%)
有形固定資産5兆8,089億円(58%)
投資有価証券5,261(5%)
負債
有利子負債4兆3,652億円(43%)
うち3兆円は中央新幹線建設長期借入金です。財政投融資となっており約30年先の弁済期限で1%以下の低金利無担保で借り入れを行っています。
純資産
自己資本比率42%
配当性向7.4%
利益剰余金4兆円(40%)
損益計算
売上高
営業利益率36%
経常利益率32%
当期純利益率22%
キャッシュフロー
投資額
科目 | 前期 | 当期 |
減価償却費 | 2,196 | 2,164 |
固定資産 に対する支出 | 4,541 | 4,036 |
株主還元
科目 | 前期 | 当期 |
自己株式の取得 | 0 | 0 |
配当金の支払 | 256 | 276 |
株価 個人的な購入価額
3,104円(2024.11.22)
時価総額3,197,120百万円(15:30)
配当利回り(会社予想)0.97%(15:30)
1株配当(会社予想)30.00円(2025/03)
PER(会社予想)(連)7.79倍(15:30)
PBR(実績)(連)0.70倍(15:30)
EPS(会社予想)(連)398.38(2025/03)
BPS(実績)(連)4,448.14(2025/03)
ROE(実績)(連)9.70%(2024/03)
自己資本比率(実績)(連)41.9%(2024/03)
直近5期の平均EPS:340円(19.3期、20.3期除く)
進捗:60%(2Q)
需要・顧客構造(+5%):
営業収益が約2兆円に対して総資産額が約10兆円と、収益の約5倍の資産を有しており、固定費負担が大きいです。また、連結従業員数が約3万人おり、1人あたりの人件費を1千万円だとすると、約3,000億円/年になります。収益の大半を新幹線が稼いでおり、景気によってビジネス・観光客の乗客数が大きく増減し、固定費負担も大きいので業績が大きく変動すると思います。景気の悪化やコロナ禍のような景気悪化タイミングでは、業績が大幅に悪化すると思います。
一方、人口の6割が集中している東京・名古屋・大阪と大都市圏を結んでおり、ビジネス・観光、インバウンド需要が十分あるのは魅力的です。
競争環境(+10%):
東京→大阪、東京→岡山などは飛行機が競合になりますが、輸送量を考えると圧倒的に新幹線の方が利用客が多く、敵なしと言えます。
ビジネスモデルの有望性(▲10%):
リニア新幹線が開業するのにあと10年から20年かかると思いますが、財政投融資で3兆円を返済期限30年後、年利1%以下で借り入れしているので、業績・財務への負担は少なそうです。
国内の人口は減少していますが、3大都市圏の人口はしばらく横ばいで推移すると思います。
一方、南海トラフ大震災が起きた場合、東海道新幹線に甚大な被害があると思います。地震によるレール・駅舎・車両の破損、津波による直接的な被害も気になります。JR東海は静岡県浜松市に車両整備工場を有しており、標高が3mほどです。大津波が東海地方を襲い、車両基地が浸水した場合、数年は東海道新幹線を使えない事態もありうると思います。
株主優待(+2%):
持株数に応じて運賃・料金割引券がもらえます。500株毎に1枚、100株以上3年以上継続保有で1枚なので、かなり渋い株主優待です。ラクマにおいて1枚1,000円程度で販売されていたので、優待価値は低いです。
個人的な好み(+10%):
2ヶ月に1度は東海道新幹線を使用しており、愛着があります。株主になると、新幹線が高くて、お金が無くなる罪悪感が薄れると思います。リニアも応援しているので、100株購入したいです。
個人的な目標株価
PER340×14倍=4,760
PBR4,448×0.7倍=3,114
プレミアム3,937×1.05×1.1×0.9×1.02×1.1=4,592
※ブログは個人的な趣味で、株式購入可否は自己判断でお願いします。
以上
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