賃貸住宅を探しに不動産屋さんに相談に行ったとき、数ある家賃保証会社の中で唯一保証料を払っても良いと思ったのが、ジャックスでした。
ジャックスの家賃保証は、クレジットカードの与信情報を利用しており、審査の難易度が高く、過去にクレジットカードなどの滞納がある人は審査が通らないようです。審査が厳しく、信頼性の高い人しか保証しないため、保証料も安く、審査に通る信用力の高い人にとってはメリットが大きいです。
信頼を積み上げていくことで、その人の与信力を上げていくことで、社会全体がより良いものになると思います。
ジャックスの株価は足元低迷しています。私は今後しばらく景気が悪化し、ローン業界では貸倒が増加すると予想しています。株価はさらに下落するでしょう。しかし、ビジネスモデルが社会的に素晴らしいので、長期的に買い場だと感じ、調べてみました。
MUFGの信販大手。
オートローン主力。
クレジットカード、信用保証を強化。
東南アジア進出四季報
沿革
1954年 北海道函館市に百貨店を加盟店としたクーポン使用による間接割賦販売業務(総合あっせん)を事業目的としたデパート信用販売を設立
1959年 融資保証業務(消費者金融)。損保代理店業務を開始
1971年 メーカークレジット会社と提携、個品割賦の保証ならびに集金業務を開始
1973年 株式上場
1982年 金融機関と提携、カードローンの保証業務を開始
1991年 JCBと提携しジャックスJCBカードの発行を開始
2008年 第三者割当増資により三菱UFJ銀行の持分法適用関連会社となる
2023年 ジャックスリースが三菱オートリースと資本業務提携を締結
事業内容
国内事業:
クレジット、カード・ペイメント、ファイナンス、家賃保証、集金代行、住宅ローン保証、銀行個人ローン保証、各種保険代理店、リース、サービサー(債権管理回収)
海外事業:
ベトナム・フィリピン・インドネシアでの二輪・オートローンのクレジット事業
業績
業績 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期利益 | 一株益(円) | 一株配(円) |
連22.3 | 164,070 | 26,743 | 26,786 | 18,316 | 529.0 | 160 |
連23.3 | 173,506 | 31,678 | 31,769 | 21,651 | 624.6 | 190 |
連24.3 | 184,782 | 33,126 | 33,060 | 23,770 | 685.1 | 220記 |
セグメント
財務諸表 単位:億円(%:資産/売上に対する比率)
資産
現金預金1,876(5%)
割賦売掛金3,296(87%)
投資有価証券296(1%)
負債
有利子負債28,930(77%)
純資産
自己資本比率6.1%
配当性向32%
利益剰余金1,641(4%)
その他有価証券評価差額金170(0.4%)
損益計算
売上高
営業利益率18%
経常利益率18%
当期純利益率12.9%
キャッシュフロー
投資額
科目 | 前期 | 当期 |
減価償却費 | 102 | 112 |
固定資産 に対する支出 | 96 | 87 |
株主還元
前期 | 当期 | |
自己株式の取得 | 0 | 0 |
配当金の支払 | 62 | 68 |
株価 個人的な購入価額
3,725円(2024.10.25)
時価総額130,670百万円(10/25)
配当利回り(会社予想)4.83%(10/25)
1株配当(会社予想)180.00円(2025/03)
PER(会社予想)(連)7.84倍(10/25)
PBR(実績)(連)0.55倍(10/25)
EPS(会社予想)(連)475.26(2025/03)
BPS(実績)(連)6,765.03(2025/03)
ROE(実績)(連)10.94%(2024/03)
自己資本比率(実績)(連)6.1%(2024/03)
直近5期の平均EPS:496円
進捗:1Q(36%)
需要・顧客構造(▲15%):
景気が悪化すると個人消費支出、カード利用高が減少するので、業績に悪影響を与えそうです。また、景気後退が大きい場合、個人の貸倒も増加します。顧客・業績が景気変動に大きく左右される構造だと言えます。
競争環境(▲10%):
リース・消費者金融は、アコム・東京センチュリー・日立キャピタル・クレディセゾン・芙蓉総合リース・イオンフィナンシャルサービス・オリエントコーポレーション・みずほリース・アイフル・アプラスフィナンシャル・リコーリース・ポケットカード・ジャックス(時価総額順)と競合他社が多くおり、市場環境は厳しそうです。
家賃保証も、競争力が高そうですが、事業規模がそこまで大きくありません。
ビジネスモデルの有望性(▲10%):
有利子負債の規模が大きく、金利が上昇すると業績が大幅に悪化します。
金利が0.25%上昇した場合、業績はどうなるのでしょうか?単純化のため、長期短期ともに、有利子負債28,930億円、全て金利の上昇の影響を受けると仮定します。
28,930×0.25%=72億円/年
24年3月期の経常利益が331億円なので、約2割の減益となります。かなりインパクトが大きいです。住宅ローン関連の事業を増やしており、この事業の貸倒も心配になります。
株主優待(+%):なし
個人的な好み(▲20%):
決算説明資料を見ると、クレジット事業の主要業種に高級腕時計等、オートローンに輸入車ディーラーとあり、消費性向の高い見栄を張るギャンブル気質が高い人が顧客である気がします。ここ数年、物価が上昇しており、高級品の値段が上昇していたので、貸倒率が低く抑えられていた気がします。
しかし、今後景気が悪化し、物価が落ち着くと、高額商品・高級車の中古価格も下落し、貸倒が増え、業績が大きく悪化する気がしています。
家賃保証のビジネスモデルの比率が高くなく、メインのローン事業に魅力を感じられず、購入意欲が減退する結果となりました。
個人的な目標株価
PER496×14倍=6,944
PBR6,765×0.7倍=4,736
プレミアム5,840×0.85×0.9×0.9×0.8=3,217
※ブログは個人的な趣味で、株式購入可否は自己判断でお願いします。
以上
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