近所のカーシェアがソリオからヤリスハイブリットになりました。ヤリスハイブリットの運転支援機能が充実しており、大満足です。より一層カーシェアに傾倒し、友人の子育て世帯が車を購入する中、カーシェア利用を継続することを決めました。
年齢の高い世代は、結婚し、子どもが生まれたら、家・車を買うという「所有」意識が根強いと感じます
戦後の社会が不安定な状態では賃借では取り上げられるか分からず、所有の価値は高かったと思います。また、高度経済成長期のインフレ、バブルの時代では、所有するだけで所有物の価値が上がっていました。
しかし、現在の日本は法による社会の安定が保たれており、物価の上昇が小幅になりました
若い世代、特に20代は、所得も少なく、車を「所有」し、高額資産にお金を投じるより、旅行や思い出作り、利用に重きを置く傾向があると感じます。
「所有から利用へ」の意識変化は今後も継続し、カーシェア市場は成長していくと思います。
2回に分け、パーク24の分析をしようと思います
沿革
1985年 東京都品川区に駐車場の保守及び運営管理を目的として設立
1990年 日本信号との販売代理店契約を締結
1991年 東京都台東区にてロック付き無人駐車料金徴収装置による24時間無人時間貸駐車場運用開始
1993年 NTT、日本信号と共同で駐車予約システムの事業化について提携
1994年 トヨタパーキングネットワークとタイムズ事業の共同運営に関する契約を締結
1999年 株式上場
2006年 ソウル、台湾に進出
2009年 マツダレンタカーの株式を取得、モビリティ事業を開始
2016年 オーストラリア、シンガポール、マレーシアの株式を取得しグローバル化を推進
2017年 NATIONAL CAR PARKS LIMITED(英国)の持株会社であるMEIF Ⅱ CP Holdings 2 Limited(英国)の株式を取得しさらなるグローバル化を推進
2021年 韓国の合弁会社の全株式を譲渡
事業内容
駐車場事業国内:
遊休地や施設付帯駐車場等を賃借するサブリース契約と、駐車場所有者等から管理の委託を受ける管理受託契約及び駐車場の自社保有により、時間貸及び月極駐車場サービスを提供。また、予約型駐車場の運営や駐車場に付帯した施設の管理運営。
駐車場事業海外:
英国、豪州、ニュージーランド、シンガポール、マレーシア、台湾の計6か国において、サブリース契約並びに管理受託契約により時間貸及び月極駐車場サービスを提供。国内の駐車場事業戦略である「小型・分散・ドミナント化」をベースに各国の駐車場需要環境に最適化した短期契約かつ少額投資型の駐車場の開発を促進。
モビリティ事業:
全国の有人店舗及び無人ステーションで、利用したい時間・期間だけクルマを借りることができるモビリティサービス「タイムズカー」(カーシェアリングとレンタカーの融合サービス)を提供。また、クルマの事故・故障に対応するロードサービスも提供。
業績
業績 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期利益 | 一株益(円) | 一株配(円) |
連18.10 | 298,517 | 22,539 | 22,532 | 13,851 | 91.9 | 70 |
連19.10 | 317,438 | 22,322 | 21,566 | 12,348 | 79.8 | 70 |
連20.10 | 268,904 | -14,698 | -15,168 | -46,652 | -302.0 | 0 |
連21.10 | 251,102 | -8,039 | -11,619 | -11,658 | -75.5 | 0 |
連22.10 | 290,253 | 20,672 | 16,970 | 2,476 | 15.2 | 0 |
セグメント
財務諸表(22年10月期)
資産
現金預金858億円(28%)
有形固定資産1,177億円(38%)
のれん181億円(5.9%)
契約関連無形資産95億円(3%)
契約関連無形資産は英国事業の買収に伴って生じたもので、収益性が低下すると減損の対象になります
負債
有利子負債1,949億円(63%)
なお、2023年2月8日に2028年満期ユーロ円建取得条項付転換社債型新株予約権付社債を350億円起債しています
純資産
自己資本比率13%
配当性向―(無配)
利益剰余金▲71億円(▲2%)
損益計算
売上高
営業利益率7.1%
経常利益率5.8%
当期純利益率0.9%
キャッシュフロー
投資額(百万円)
科目 | 前期 | 当期 |
減価償却費 | 33,680 | 30,273 |
固定資産 に対する支出 | 14,586 | 16,035 |
新株の発行による収入248億円
海外募集による新株式発行で、発行価格1,644円(払込金額1,571円)で発行
業績・財務諸表のポイント(海外事業の買収)
海外事業の変遷
2006年 『タイムズ』ブランドの駐車場事業で韓国・台湾に進出
2017年 オーストラリア・ニュージーランド・英国・シンガポール・マレーシアの5カ国で駐車場を展開している『Secure Parking』をグループ化
2017年 日本政策投資銀行とともに、英国で駐車場事業を展開するNational Car Parks Limited(本社:ロンドン、以下「NCP」)の全株式を取得
のれん181億円のうち英国事業(PARK24 UK LIMITED)が72億円、豪州(PARK24 AUSTRALIA PTY LTD)が57億円となっています。この2社はSECUREが社名変更した会社です。
NATIONAL CAR PARKS LIMITED(英国)
海外事業を語るうえでポイントとなるのが、NATIONAL CAR PARKS LIMITED(英国)です。2017年に買収し、のれん597億円を計上しました。
しかし、2020年10月期にコロナ禍で英国の事業環境が悪化し、のれん194億円を含め、英国の事業用資産を310億円減損しました。
現在の海外事業の状況
コロナ後、23年10月期(1Q)の駐車場事業海外のセグメント損益は赤字のままです。
一方、パーク24が出している決算説明資料の事業利益は黒字であり、利益も大幅に増加しています。
事業損益の算式が分かりませんが、会社側の主張としては、海外事業も利益を出せるということなのでしょう。私は海外事業に不安を感じます。
株価 個人的な購入価額
2165.5円(2023.6.10)
時価総額370,405百万円(06/09)
配当利回り(会社予想)0.00%(06/09)
1株配当(会社予想)0.00(2023/10)
PER(会社予想)(連)28.40倍(06/09)
PBR(実績)(連)7.99倍(06/09)
EPS(会社予想)(連)76.24(2023/10)
BPS(実績)(連)270.88(2022/10)
長くなってきたので、続きは次の記事へ
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