鉄鋼業で大きな変革が起きています。日本製鉄が国内高炉の数拠点を閉鎖しており、ゼロカーボンニュートラル・環境規制の高まりから電炉にシフトしています。
炉はプラスマイナスどちらに働くのでしょうか?国内の鋼材生産が減少するならば、マイナス。省エネ炉への転換、電気炉シフトに伴う炉の新設があれば、プラス。どちらでしょうか?
工業炉トップ。
四季報
鉄鋼や各種産業用の熱処理設備強固。
ディスプレー等の情報通信と環境分野展開
沿革
1945年 設立
1954年 サーフェス・コンバッション社と技術提携、工業炉の最新鋭技術を導入
1966年 上下焚ウォーキングビーム型加熱炉を開発
1969年 株式上場
1973年 下水汚泥焼却設備を主体に環境設備の分野に進出
1987年 台湾に連結子会社を設立
2005年 中国に連結子会社を設立
2012年 インドネシア・タイに連結子会社を設立
2016年 メキシコに連結子会社設立
事業内容
エネルギー分野:自動車・機械部品熱処理炉、電池・基板・触媒・磁性材熱処理炉、鉄鋼・非鉄金属加熱炉・熱処理炉、金属ストリッププロセスライン、塗装ライン、各種工業用バーナ、省エネ制御機器などの設計・製作・施工・販売
情報・通信分野:精密塗工・乾燥装置、FPD用熱処理設備などの設計・製作・施工・販売
環境保全分野:大気浄化設備、キルン・環境プロセス設備などの設計・製作・施工・販売
業績
業績 | 売上高 | 営業利益 | 経常 利益 | 当期 利益 | 一株益 (円) | 一株配 (円) |
連17.3* | 31,146 | 774 | 919 | 978 | 125.8 | 60 |
連18.3 | 30,830 | 1,181 | 1,287 | 864 | 111.1 | 60 |
連19.3 | 37,090 | 987 | 1,157 | 754 | 97.3 | 60 |
連20.3 | 38,090 | 1,711 | 1,875 | 1,120 | 146.0 | 60 |
連21.3 | 24,718 | 390 | 565 | 329 | 42.9 | 60 |
直近5期の売上高は240-380億円と増減が大きいです。赤字期はありませんが、利益の増減は大きいです。
セグメント(百万円)21年3月期
情報・通信分野は前期も赤字であり、赤字幅が拡大しています
財務諸表
資産
現金預金69億円(18%)
有形固定資産44億円(11%)
投資有価証券55億円(14%)
負債
有利子負債60億円(16%)
純資産
自己資本比率56%
配当性向140%
利益剰余金122億円(32%)
損益計算
売上高
営業利益率1.8%
経常利益率2.7%
当期純利益率1.5%
キャッシュフロー
投資額(百万円)
科目 | 前期 | 当期 |
減価償却費 | 368 | 360 |
固定資産 に対する支出 | 244 | 442 |
株価 個人的な購入価額
1,630円(2022.2.4)
配当利回り(会社予想)3.68%(02/04)
1株配当(会社予想)60.00(2022/03)
PER(会社予想)(連)15.64倍(02/04)
PBR(実績)(連)0.59倍(02/04)
EPS(会社予想)(連)104.21(2022/03)
BPS(実績)(連)2,747.94(2021/03)
直近5期の平均EPS:105円
需要・顧客構造(▲20%):
国内向けの売上高が8割を占めています。国内の製鉄メーカーは国内の高炉を閉鎖し、海外拠点への投資を増やしているので、内需に依存している中外炉工業の市場規模の縮小が気になります。
海外展開にうまく乗れればいいのですが・・・
競争環境(▲20%):
熱技術(サーモテック)で高い技術を持っており、研究開発へ7億円(年間)を支出しているので、競争力は高そうです。しかし、工業炉のメーカーは中小の企業も含めると企業数が多く、市場環境は厳しそうです。
ビジネスモデルの有望性(+20%):
アンモニア混焼火力発電技術研究開発に取り組んでおり、Jパワーからのオファーを受け、工業炉バーナーの火力発電への応用を目指しています。
https://chugai.co.jp/wp/wp-content/uploads/2021/08/210722i.pdfまた、水素バーナーを開発し、金属部品の熱処理で燃焼時にCO2を出さないカーボンフリーバーナーとして提案するそうです。中外炉工業の主力事業所である大阪堺は、水素工場を有する岩谷産業があるので、水素製品の開発がスムーズに進みそうです。
https://chugai.co.jp/wp/wp-content/uploads/2022/02/220203.pdfバイオマス発電で使用する炉の技術も有しているので、様々な分野で成長が期待できます。
株主優待(+%):
なし
個人的な好み(+20%):
自己資本比率が高く、現金保有比率が高いです。私は森林資源の有効活用、地方活性の観点から木質バイオマス発電の成長に期待しており、その技術を持っているのは魅力的です。
個人的な目標株価
PER105×14倍=1,470
PBR2,748×0.7倍=1924
プレミアム1,697×0.8×0.8×1.2×1.2=1,564
炉・耐火物関連のブログ
煉瓦・耐火物メーカーの株価が以前調べたときも大幅に上昇しているのが気になります。
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