2024年5月。青森の奥入瀬渓谷で渓流釣りをしました。早朝の本流域は、静寂に包まれ、豊かな落ち着いた時間を過ごせました。源流域には雪が残っており、冬眠から目覚めたばかりのイワナがエサに飛びついてきてくれました。
奥入瀬渓谷とは
青森県十和田市奥瀬。
十和田湖から流れ出て、太平洋に流れ着く清流で有名な渓谷です。青森観光では奥入瀬渓谷に行くべし。というほど観光で有名です。亡くなったおばあちゃんがおじいちゃんと埼玉から車で奥入瀬渓谷に行っていました。渓谷が美しかった、行って良かったと自慢しており、私も行きたいと思っていた場所でした。
奥入瀬漁協が管轄しており、フィッシュパスというオンラインで遊漁券が買えるサービスを導入しています。日券が1,000円と手ごろです。
奥入瀬川は1,000m超の八甲田山・櫛ヶ峯など高い山から流れるアマゴ・イワナが好む渓谷です。源の1つである八甲田山が火山起因の山で、酸ヶ湯温泉や谷地温泉など有名な温泉地もあります。両温泉とも入りましたが、酸性が強く非常に気持ちの良い温泉でした。
この二つの温泉は山の上の方にあります。この奥入瀬渓谷に降りて来るには、少し谷を下らなければいけませんでした。
奥入瀬渓谷を下見
昼間は、家族で奥入瀬渓谷を散策しました。奥入瀬渓谷の下流に奥入瀬渓流館(奥入瀬フィールドミュージアム)があります。広い無料の駐車場があり、ここに車を置きます。レンタサイクルやカフェや渓流の展示物もあり、施設だけでも十分楽しめました。
施設の横から遊歩道に入り、上流に向かい散策スタートです。
道路と合流する所は車に注意が必要です。ただ、ほとんど川沿いの独立した遊歩道であり、年長の子どもでも歩きやすかったです。本流の岸辺のたまり場には、赤ちゃんアマゴが泳いでいました。奥入瀬渓谷でアマゴが育っていることはわかります。
支流の沢にもアマゴがおり、水生昆虫を落とすと、アマゴが勢いよく、エサに飛びついていました。
1~2時間ほどの散策で、黄瀬川前を抜け、紫明渓、三乱の流れ、石ヶ戸を見ました。GWは上流域の雪解け水、支流の流れ込みも多く、水量が多かったです。
奥入瀬渓谷沿いには、バスが1時間に1本程度走っています。石ヶ戸休憩所にはトイレ・売店があり、バスの時間まで奥入瀬サイダーを飲んで休憩しました。JR東日本の大型バスが青森市内まで運航しています。広々乗れて良かったです。バスに乗れば、帰りは同じ道を歩かないで済むので良かったです。
ビジターセンターに戻ったのち、車で十和田湖にも行きました。
十和田湖の湖畔には、ワカサギが大量に泳いでいました。十和田湖から流れる奥入瀬渓谷を想像できない静かで穏やかな湖です。
早朝石ヶ戸付近で釣り
早朝6時、奥入瀬川本流の惣辺川が流れ込むあたりに入渓しました。
早朝は昼間と比べると水量が少ないです。東北電力十和田発電所があり、十和田湖から別ルートで発電用の水を引いており、夜間の時間帯は発電を行っています。
昼間の時間帯は観光目的で、発電に流す水量を減らし、渓谷に放流をしているようです。奥入瀬渓谷は苔と水の流れのコントラストが美しいと言われています。水量が少ないタイミングがあり、水量が少ない時に苔が成長しているのでしょう。観光客が多く入る時間帯は水量が多いので、苔が水の中に沈んで、美しさが際立つのだと思います。
昼間と違って、流れが緩やかなので、魚が溜まりそうなポイントにアプローチができます。苔が美しい静寂な渓谷での釣りは気持ちいです。しかし、本流では全く魚が食ってこなかったので、静寂を切り裂くような魚との出会いはありませんでした。昼間よりも水量が少ないとはいえ、本流域は水が多く、ポイントへのアプローチが難しかったです。5月は雪解け水が多いので、寒くて長いこと水の中に入っていられません。
朝、車で本流域を登ってくるときに、ルアー釣りだと思しき3人の釣り人がいました。
近くの支流に逃げ込みました。
惣辺川
支流といっても、かなりの水量があります。本流から登ってすぐの所に砂防ダムがありました。砂防ダムの上に登る元気がなかったので短い区間での勝負です。小さいアタリが頻繁にあり、アマゴが釣れました。
冬眠明けのエサを追いかけ始めたばかりのアマゴで、少しスモルト化しています。動きも鈍い気がします。寒いとアマゴもあまり動けないのでしょう。アマゴの体は、激流に飲まれているからか、少し鱗が剥げています。
釣果はイマイチでしたが、本流域で釣れて良かったです。次は、八甲田山から流れる川に移動しました。
奥入瀬川支流蔦川・中里川
八甲田山の雪は深く、道中の道路の脇には、5月だというのに2m以上も雪が積もっていました。この場所は、谷地温泉の近く、八甲田山を源とする支流で、釣りした場所で標高700mを越えています。
雪がかなり残っており、風が吹くとかなり寒かったです。 気温は5度。雪解けは進んでおり、水量はかなり多かったです。
こんな厳しい環境でもイワナが出てきてくれました。
イワナの斑点がくっきり見えて美しいイワナです。程よい高低差で、良淵が多くありました。
この支流も奥入瀬川漁協が管轄しています。奥入瀬川は渓流魚の好む支流が多くて非常に良いです。
普段私は京都・兵庫・滋賀・奈良で渓流釣りをしています。関西圏は、1,000m超の山が少なく、水温が低い所も少なく、アブラハヤばかりの渓谷も多いです。青森はどこの渓谷に行っても、アマゴ・イワナがいます。私にとっては桃源郷のような所でした。
ただ、この八甲田山周辺には熊が出没しているので注意が必要です。弘前市から酸ヶ湯温泉まで行ける国道394号線を通った時に、黒い影が道路を横切りました。犬?いいえ、あれは熊でした。5月は冬眠から覚めた熊がエサを求めて歩き回っているようです。
酸ヶ湯温泉で働いている人に熊の情報をヒアリングしました。(5月上旬時点で)人を襲う熊は最近は聞いたことがなく、今年は目撃例がないと言っていました。私が見たのは犬だったのか?自信がなくなってきました。がやはり、あれは熊だったと思います。
中里川源流で、1時間釣りをしました。イワナ4匹。奥入瀬渓谷よりも釣果があり、楽しかったのですが寒すぎたので、帰ることにしました。
帰りに谷地温泉に行きました。数種類の異なる所から引いている温泉は、疲れた体を癒してくれました。
酸ヶ湯温泉、谷地温泉と湯量豊富で最高の泉質でした。青森渓流釣り遠征、行きたいです。
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