東邦亜鉛がオーストラリアの鉱山開発の失敗で巨額の損失を計上しました。24年3月期(2Q)時点の自己資本比率は、18%とメーカーの中ではかなり低いです。下期も営業損失を見込んでおり、自己資本の大幅な毀損が見込まれます。
三井金属鉱業は亜鉛事業を持っており、再編のメインプレーヤーになると考え、調べてみました。
非鉄大手。
四季報
機能材料、自動車部品など川下分野強い。
銅箔は世界首位級。金属はリサイクル注力
沿革
1874年 三井組が神岡鉱山蛇腹平坑を取得し、鉱山経営を開始
2005年 インドに排ガス浄化触媒製造拠点を設立
2006年 ペルー・パルカ鉱山本格操業開始
2021年 チリ・カセロネス銅鉱山の権益を譲渡
2022年 三井金属エンジニアリングを株式公開により完全子会社化
事業内容
セグメント | 主要製品等 |
機能材料 | 銅箔(キャリア付極薄銅箔、プリント配線板用電解銅箔等) 電池材料(水素吸蔵合金等) 機能粉(電子材料用金属粉、酸化タンタル等) スパッタリングターゲット(ITO等) セラミックス製品 |
金属 | 亜鉛、鉛、銅、金、銀、資源リサイクル |
モビリティ | 排ガス浄化触媒 自動車用ドアロック ダイカスト製品、粉末冶金製品 |
その他の事業 | 伸銅品、パーライト製品、各種産業プラントエンジニアリング |
業績
業績 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期利益 | 一株益(円) | 一株配(円) |
連19.3 | 497,701 | 18,222 | 17,755 | 4,691 | 82.2 | 70 |
連20.3 | 473,109 | 13,037 | 9,318 | 1,566 | 27.4 | 70 |
連21.3 | 522,936 | 51,124 | 51,265 | 44,771 | 784.0 | 85 |
連22.3 | 633,346 | 60,737 | 65,990 | 52,088 | 912.0 | 110 |
連23.3 | 651,965 | 12,528 | 19,886 | 8,511 | 149.0 | 140 |
セグメント
財務諸表
資産
現金預金268億円(4%)
有形固定資産1,978億円(31%)
投資有価証券619億円(10%)
負債
有利子負債2,215億円(35%)
純資産
自己資本比率40%
配当性向94%
利益剰余金1,831億円(29%)
損益計算
売上高
営業利益率1.9%
経常利益率3.1%
当期純利益率1.3%
キャッシュフロー
投資額(億円)
科目 | 前期 | 当期 |
減価償却費 | 332 | 336 |
固定資産 に対する支出 | 255 | 312 |
株価 個人的な購入価額
4,335円(2023.12.29)
時価総額248,642百万円(12/29)
配当利回り(会社予想)3.23%(12/29)
1株配当(会社予想)140.00(2024/03)
PER(会社予想)(連)13.76倍(12/29)
PBR(実績)(連)0.95倍(12/29)
EPS(会社予想)(連)314.98(2024/03)
BPS(実績)(連)4,561.54(2023/03)
直近5期の平均EPS:391円
進捗:45%(2Q)
需要・顧客構造(▲10%):
最終財は、自動車・電子機器・電化製品に組み込まれる素材を扱っており、業績が景気に大きく左右されそうです。
競争環境(+10%):
非鉄金属は、三菱マテリアル、住友金属鉱山、三井金属鉱業、JX金属、DOWAHD、東邦亜鉛がいます。それぞれの得意分野が異なりすみわけができているので、競争環境は良さそうです。
ビジネスモデルの有望性(+5%):
EV車の販売増加に伴い、電池に要する非鉄金属素材も増え、成長性に期待が持てます。
株主優待(+%):なし
個人的な好み(▲10%):
自己資本比率が40%と少し物足りなさを感じます。資源価格の高騰により、21年3月期、22年3月期に巨額の利益を計上しています。再来したらいいのでしょうが、米国もインフレ抑制に向け、利上げを進めており、物価上昇が落ち着き、業績もしばらく低調で推移しそうです。
個人的な目標株価
PER391×14倍=5,474
PBR4,561×0.7倍=3,193
プレミアム4,333×0.9×1.1×1.05×0.9=4,054
※ブログは個人的な趣味で、株式購入可否は自己判断でお願いします。
以上
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