「ゼンリンの地図データ搭載のカーナビ」という謳い文句のカーナビの広告を見ました。ゼンリンの地図が搭載されているカーナビは、他のカーナビよりも価値が高いのだと思います。
以前、ゼンリンは、グーグルに地図データを提供していましたが、2019年度以降地図データの提供を終了しました。私はグーグルマップをよく使っていますが、地図の質が低下したとは感じませんでした。
地図の事業領域が縮小していくのでしょうが、新たに自動運転技術のためには、地図測量業界の果たす役割は拡大する気がします。
地図情報断トツ。
四季報
住宅地図を唯一全国展開。
カーナビ、ネット配信強い。収益は期末偏重
沿革
1974年 住宅地図・各種地図・図書等の企画出版を目的として北九州市小倉区に設立
1991年 汎用化を狙ったカーナビゲーション用のナビゲーションシステム研究会の統一規格に沿った「ナビソフト」を開発
1994年 株式上場
2000年 電子地図の北米海外拠点の会社を設立、電子地図のインターネット配信事業のため、会社設立
2013年 東京都千代田区に東京本社を設置
2021年 GISビジネスの拡充を図るためカーネルを子会社化
事業内容
業績
業績 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期利益 | 一株益(円) | 一株配(円) |
連21.3 | 57,225 | 1,436 | 1,683 | 1,248 | 22.5 | 25 |
連22.3 | 59,053 | 2,670 | 3,044 | 3,658 | 66.9 | 26 |
連23.3 | 58,933 | 1,799 | 2,104 | 2,770 | 51.4 | 27 |
財務諸表
資産
現金預金140億円(20%)
有形固定資産130億円(19%)
無形固定資産141億円(20%)
負債
有利子負債67億円(9%)
純資産
自己資本比率44.8%
配当性向23%
利益剰余金274億円(39%)
損益計算
売上高
営業利益率3.1%
経常利益率3.6%
当期純利益率4.7%
投資有価証券売却益
前期20億円、当期13億円
キャッシュフロー
投資額(百万円)
科目 | 前期 | 当期 |
減価償却費 | 4,969 | 5,153 |
固定資産 に対する支出 | 5,608 | 5,254 |
株価 個人的な購入価額
879円(2023.11.15)
時価総額50,368百万円(15:00)
配当利回り(会社予想)3.07%(15:00)
1株配当(会社予想)27.00(2024/03)
PER(会社予想)(連)26.07倍(15:00)
PBR(実績)(連)0.99倍(15:00)
EPS(会社予想)(連)33.72(2024/03)
BPS(実績)(連)892.29(2023/03)
直近5期の平均EPS:50.5円
進捗:
需要・顧客構造(▲10%):
ゼンリンの売上は、特定の自動車メーカーおよび通信事業者並びにインターネット事業者に対するものが多くを占めています。自動車の販売動向に売上が左右され、業績の変動は大きそうです。
競争環境(▲20%):
地図・デジタル地図は、ゼンリン、昭文社HD、ONE COMPATH、ジオテクノロジーズ、ダイナミックマッププラットフォームの会社が国内にあります。海外勢は、バイドゥ(中国)、ヒア(オランダ)、トムトム(オランダ)、グーグルがいます。グーグルマップ、グーグルマップのナビ機能は非常に便利で、私もナビのついている自動車でもグーグルマップを使ってしまいます。従来自動車のカーナビを使用していた層が一気に移ってしまうこともあると思います。
ビジネスモデルの有望性(+5%):
研究開発費に12億円を投じており、3D情報調査技術・地図自動生成技術を研究しています。地図自動生成技術では、先進自動支援システム用カメラ、通信型ドライブレコーダーの車載映像から地図データを作成するもので、成長に期待が持てそうです。ただ、今の複数の企業が乱立する体制では、グーグルなど巨大資本に勝つことは難しい気がします。再編が必要だと感じます。
株主優待(+%):なし
個人的な好み(▲10%):
直近4期の決算を見ると、有価証券売却益で無理やり利益を出している感じがして、本業の業績見通しに不安を感じます。グーグルなどの巨大資本に勝てる気がせず、購入に積極的にはなれません。
個人的な目標株価
PER51×14倍=714
PBR892×0.7倍=624
プレミアム669×0.9×0.8×1.05×0.9=455
※ブログは個人的な趣味で、株式購入可否は自己判断でお願いします。
以上
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