ビックモーターが非常に厳しい状況になっています。自動車という高額商品を扱っているので、一般消費者の評価・信用が非常に重要だと思います。この2つの喪失は事業運営において致命的だと思います。
救済買収が選択肢とありそうだと思い、業界のガリバーIDOMを調べてみました。
中古車買い取り首位。
四季報
『ガリバー』展開。小売り強化し、付帯サービス拡充。
配当性向30%目安
沿革
1972年 設立
1994年 ガリバーインターナショナル・コーポレーションを福島県郡山氏に中古車買い取り業を目的に設立
1998年 株式上場
2001年 査定価格算出業務においてISO9001取得
2013年 東京マイカー販売の全株式を取得し、完全子会社化
2016年 月額定額車乗り換え放題サービス「NOREL」開始
2019年 個人間カーシェアサービス「GO2GO」開始
2022年 IDOM Automotive Group Pty Ltd.グループ及びGulliver Australia Pty Ltd.の全株式を売却
事業内容
一般消費者への小売を主要な販路として、中古車販売事業及びこれらに付帯する事業を主たる業務
業績
業績 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期利益 | 一株益(円) | 一株配(円) |
連19.2 | 309,410 | 3,400 | 2,072 | 381 | 3.8 | 11 |
連20.2 | 361,684 | 9,091 | 6,867 | 3,545 | 35.0 | 1.2 |
連21.2 | 380,564 | 10,571 | 9,642 | 1,484 | 14.8 | 10.6 |
連22.2 | 459,532 | 18,485 | 17,561 | 10,794 | 107.5 | 4.6 |
連23.2 | 416,514 | 18,684 | 18,146 | 14,205 | 141.5 | 42.5 |
セグメント
豪州事業は、現地会社に売却し、IDOMは撤退しています
財務諸表
資産
現金預金375億円(21%)
有形固定資産264億円(15%)
敷金及び保証金50億円(3%)
負債
有利子負債671億円(39%)
預り金253億円(15%)
純資産
自己資本比率35.8%
配当性向30%
利益剰余金567億円(33%)
損益計算
売上高
営業利益率4.5%
経常利益率4.4%
当期純利益率3.4%
キャッシュフロー
投資額(百万円)
科目 | 前期 | 当期 |
減価償却費 | 2,797 | 2,581 |
固定資産 に対する支出 | 5,424 | 5,843 |
株価 個人的な購入価額
805円(2023.7.28)
時価総額86,045百万円(07/28)
配当利回り(会社予想)4.45%(07/28)
1株配当(会社予想)35.80(2024/02)
PER(会社予想)(連)6.74倍(07/28)
PBR(実績)(連)1.32倍(07/28)
EPS(会社予想)(連)119.51(2024/02)
BPS(実績)(連)610.48(2023/02)
直近5期の平均EPS:60円
進捗:16%(1Q)
需要・顧客構造(+5%):
中古車は高額消費であり、個人所得の状況によって業績が大きく左右されそうです。コロナ禍以降、新車の供給が減り、中古車価格が上昇し、業績にはプラスでしたが、中古車価格の下落により、業績は落ち着きそうです。
競争環境(▲5%):
中古自動車業界は、
【中古買取業】は、IDOM(ガリバー)、カーチスHD、ラビット・アップルオートネットワーク(アップルインターナショナル)、バイク王&カンパニー【カーオークション】は、USS、トヨタユーゼック、オークネット、日本中古自動車販売協会連合会【中古車販売】は、ネクステージ、ケーユーHD、レッドバロン、ビックモーターがいます。
中小の中古買取業者を含め、競合が多く市場環境は厳しそうですが、ガリバーはブランド力があるので、競争力は高そうです。
ビジネスモデルの有望性(+10%):
日本における中古車の小売市場規模は約3.7兆円、中古車の年間流通台数は約262万台推計されています。ガリバーはその市場シェアは5%程度(※2)と推計されています。ガリバーの信用・信頼力は高く、市場シェアを拡大する余地は大きいと思います。
株主優待(+%):なし
個人的な好み(+10%):
自己資本比率が3割台と物足りなさを感じますが、現金預金が高く、投資余力はありそうです。
大株主第4位にビックモーターがおり、IDOM株を5,697千株有しています。現在の株価(805円)を乗じると45.9億円であり、仮にビックモーターがIDOM株を売り出そうとしても、IDOMが現金預金375億円のち45.9億円を使い、自己株買い(TOSTNET)で吸収すればいいので、問題はなさそうです。ただ、世論は、IDOMの自己株買いに反対しそうです。
中古車価格が好調なタイミングで、豪州の不採算事業の撤退ができたのはナイスだと思います。
個人的な目標株価
PER60×14倍=840
PBR610×0.7倍=427
プレミアム634×1.05×0.95×1.1×1.1=765
※ブログは個人的な趣味で、株式購入可否は自己判断でお願いします。
ビックモーターの影響、買収可能企業を中心に記事を書こうと思うので、お楽しみに!
過去の中古車関連企業のブログ
2017年6月10日ケーユーHD
2017年7月17日アップルインターナショナル
2018年3月11日ケイヒン
2018年4月15日VTホールディングス
2019年10月27日ネクステージ
2020年1月7日ユー・エス・エス
2020年2月1日オークネット
以上
コメント
こんにちは、いつもブログ拝見しております。
ひとつ教えて頂ければと思うのですが、
個人的な目標株価の数字はどの指標の数字になるのでしょうか。
PER60(eps)×14倍=840
PBR610(bps)×0.7倍=427
プレミアム634(840+427÷2)1.05×0.95×1.1×1.1=765
よろしくお願い致します。
フナコシ様
いつもブログを拝見くださりありがとうございます。
コメント励みになります。
個人的な目標は、
・PER60(eps)←直近5期の平均EPS:期によって特別損益でばらつきがあるので、平均を取る意味で5期間平均を取っています。なお、直近5期に巨額の損失・特因があれば、直近3期、見込みEPSなどに変えています。
・×14倍←伊藤レポートで目標ROE8%と述べられており、1÷8%=12.5倍、一般的なPERの及第点が15倍なので、間を取って14倍を基準にしてます。
=840
PBR610(bps)×
・0.7倍←PBRは1倍が純資産と等しい倍率ですが、日本企業は相対的にPBRが低く、1倍だと比較にならないので、0.7倍とストレスを掛けています。
=427
PERとPBRの平均に対して、顧客需要・成長性・競合・株主優待・個人的な好みなど、カタリスト(今後の変化要因)を乗じて、個人的な目標株価を算出しています。
今後も宜しくお願い致します。
以上でございます。
ひかこの渓流釣りとバリュー投資の管理人より